人格障害はアメリカ精神医学会の「精神障害の診断・統計マニュアル」の第4版によると10種類に分類される。反社会的人格障害の基本的な特徴は「他人の権利を無視し侵害する広範な様式」とされる。
東京大学の心療内科受診者における人格障害の割合は1996年で12.1%と比較的高率であるが、反社会性人格障害の診断を受けた患者はいない。
反社会的人格障害の患者が罰を受けたり、褒められたりした場合に脳にどのような変動があるかをfMRI(機能的核磁気共鳴)により検討した。

研究成果はThe Lancet Psychiatryの2015年2月号に掲載されている。(Volume 2, No. 2, p153–160, February 2015)
12名の反社会的人格障害と精神病質を併せ持つ暴力的な犯罪者、20名の反社会的人格障害を持つが精神病質を持たない暴力的な犯罪者、18名の健康な非犯罪者を対象とした。
刑罰あるいは報償に対する情報を受けたときの脳の活性化をfNMR測定。
刑罰に対する脳の活性化は、精神病質を併せ持った反社会的人格障害のみ、非定型であった。(他の2群と異なった。)
暴力的な犯罪者に関しては、精神病質の有無によって、刑罰に対する反応性が異なる可能性が示唆された。
このことから、反社会的人格障害と精神病質を有する者に対する更正プログラムに関しても再検討が必要と考察。
▼外部リンク
文献:Punishment and psychopathy: a case-control functional MRI investigation of reinforcement learning in violent antisocial personality disordered men.
http://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/
キングス・カレッジ・ロンドン
http://www.kcl.ac.uk/index.aspx