東京大学の山末英典准教授(精神医学)は、渡部喬光特任助教らと共同で、自閉症スペクトラム障害の患者にオキシトシンスプレーを鼻からスプレーすることにより、元来低下していた内側前頭前野の活動が活性化され、それと共に対人コミュニケーションの障害が改善されることを示した。
自閉症スペクトラム障害の方は、知的障害が無く言語理解能力もあるが、他者とのコミュニケーションが取りづらく社会生活に困難を感じることが多いという。同研究チームは、本研究に先立ち、内側前頭前野の活動低下と対人コミュニケーション障害との関連性を見出していた。

画像はプレスリリースより
オキシトシンは、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンで、分娩促進や乳汁分泌作用があることで知られている。一方で、オキシトシン受容体は男女を問わず脳内に多く分布していることから、その未知の作用に関心が持たれていた。
今後は、臨床試験のデータ解析を進めるとともに、今回対象となっていない女性や幼少期の方に対する安全性と有効性の検証を行っていく。また、生活場面における対人コミュニケーションの障害の重症度と経時的な変化を評価するべく、評価方法の確率にも取り組んでいくという。
多くの研究から遺伝子の影響や脳の機能的障害によって起こると考えられるようになってきた自閉症スペクトラム障害。これまで未確立だった対人コミュニケーション障害の画期的な治療法の開発がなされ、実用化されることに期待が高まる。
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