京都大学などの研究グループは、医療関係者の燃え尽き症候群の兆候を共感に関する脳活動の強さで予測できることを発見した。
(画像はプレスリリースより)
ストレスの対処能力や経験が少ない医療関係者に燃え尽き症候群や抑うつのあることは知られている。相手の気持ちに共感しすぎて疲れるのか、共感的になろうと優等生的になって疲れるのか二つの説があった。
現役の看護師などの脳活動を測定した結果、燃え尽き症状の兆候が強い人ほど共感に関わる脳活動が弱いことがわかった。自分の感情をしっかりと自覚して表現する能力が低下して、営業スマイル的なことに疲れて燃え尽きになりやすい。
実際に感じる気持ちと表現した態度に日常的にギャップを感じていることから、感情的に燃え尽きないためには自分の感情を表現、自覚することが大切といえる。
今回の研究で、被験者自身が答える形の従来の心理検査に加えて、脳活動を調べることでより正確に燃え尽き症候群の兆候が予測できることを確認した。
この成果は、経験の浅い医療関係者の燃え尽き症候群の予防や、医療関係者の精神衛生の向上に役立つと期待できる。今後は燃え尽き症候群のメカニズムの解明、燃え尽き症状を改善するプログラムの開発を進めていく。
具体的には、燃え尽き症候群に対処するスキル獲得の教育で、訓練方法や客観的な評価方法に脳活動を活用。また、症状改善を目標とする脳活動を用いた介入アプローチを開発する。
▼外部リンク
京都大学プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/