高齢者うつ病にはうつの症状以外に行動機能障害を伴う場合が多い。しかもうつの症状が行動療法や薬物療法に反応しても、行動機能障害は反応しない場合がある。
このような治療抵抗性の老人性うつ病に関しては現在のところ、有効な治療は見つかっていない。
2014年8月6日、ネイチャーコミュニケーションズは治療抵抗性高齢者うつ病の患者の一部が、神経の可塑性に基づき設計されたコンピュータゲームにより行動機能障害を改善することを示す文献が掲載されたことを発表した。

ワイルコーネル医科大学(ニューヨーク)等の研究グループは、高齢者の行動機能不全を対象の治療のために神経の可塑性に基づいたコンピュータゲームに似た治療方法(nCCR-GD)を開発した。
この治療方法はうつの症状と行動機能不全によるには脳の神経ネットワークの異常が潜んでおり、それを取り除くことが治療に繋がるという仮定に基づく。
nCCR-GDと標準治療のエスシタロプラム(経口抗うつ剤)を比較した。91%の患者がnCCR-GDを完遂できた。エスシタロプラムは12週間で効果が現れたが、nCCR-GDは4週間で効果発現。行動機能障害に対してnCCR-GDはエスシタロプラムより優れていた。
この結果は今後、十分な臨床研究が必要ではあるが、新しい治療法となる可能性を示している。
Neuroplasticity-based computerized cognitive remediation for treatment-resistant geriatric depression.
Nature Communications 5, Article number: 4579 doi:10.1038/ncomms5579
▼外部リンク
ネイチャーコミュニケーションズ プレスリリース
http://www.natureasia.com/en/research/highlight/9387

