2014年11月6日、京都大学は、福井大学、ノースウェスタン大学(米)、国立精神・医療研究センター、鳥取大学、金沢大学、大阪大学のグループの共同研究で、自閉症スペクトラム症がある方は、ASD特長がある人物を判断する際に、共感や自己意識と関連する脳部位が活性化することを発表した。
研究成果はSocial Cognitive and Affective Neuroscienceに2014年11月5日から公開されている。

自閉症スペクトラム特徴がある人物の行動パターン記述文(ASD)と定型発達者の人物の行動パターン記述文(TD文)を与えた。
対象となったのは自閉症スペクトラム症の成人15名と、年齢と知能指数を調整した定型発達者の成人15名。
文の主語が自分に似ているかどうか(自己判断課題)と文の主語の人物が自分と似ているかどうか(他者判断課題)の二つの課題に回答を求めた。
また、二つの課題を読んだときの脳活動を機能的磁気共鳴画像法にて測定。
自閉症スペクトラム患者では自己判断課題と他者判断課題のどちらをこなした場合にも、腹内側前頭前野の活動が高まった。
自閉症スペクトラム指数の得点が高いほど、腹内側前頭前野の活動が高くなる傾向を示した。
この結果は、自閉症スペクトラム傾向が高い人ほど、自閉症スペクトラム症の人物に対して共感性を高めている可能性を示唆している。
自閉症スペクトラム症がある方は共感性が乏しいと考えられてきた。これは定型発達者に対する共感性を測定していた可能性がある。
自閉症スペクトラム症に対しては共感性を示すというということは、自閉症スペクトラム症の特性メカニズム解明の足がかりになるとのこと。
臨床的には自閉症スペクトラム症傾向の強い人こそが、自閉症スペクトラム症の人への援助にふさわしい可能性を示しました。これは自閉症スペクトラム症の小児に対する教育にも応用できる可能性を示唆。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
京都大学 プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/
研究発表文献
http://scan.oxfordjournals.org/content/early/2014/11/05

