理化学研究所の研究チームは大脳皮質に神経細胞が多い理由を発見した。

脳の高次機能(知覚や随意運動、思考、推理、記憶など)を司る大脳皮質だが、なぜ神経細胞が多いのか、どんな仕組みで働いているかなどは解明されていない。
大脳皮質は大脳の表面に広がる神経細胞の薄い層で、約160億(マウスでも約1400万)もの神経細胞が層構造で整然と並んでいる。
神経細胞の約20%を占める「抑制性神経細胞(抑制性細胞)」が「興奮性神経細胞(興奮性細胞)の活動を抑制するために、抑制性伝達物質を放出していると考えられているが、制御している仕組みは明らかになっていなかった。
今回、研究チームは2光子励起カルシウムイメージング法による抑制性細胞と興奮性細胞の分布を確認した。
まず、マウスを抑制性細胞が緑色蛍光たんぱく質を発言するように遺伝子を改変し、2光子励起走査型蛍光顕微鏡を使ったカルシウム蛍光イメージング法で、大脳皮質視角野の3次元空間での抑制性細胞と興奮性細胞の位置と視覚刺激に対する反応性を、合わせて、微少電極で興奮性細胞に対する抑制の強さを調べた。
その結果、抑制性細胞は個々の細胞では足りない抑制作用を増強するために群れを作り、興奮性細胞に効果的な抑制をかけていることがわかった。
つまり、大脳皮質のような多数の細胞が集団で働く情報処理回路では、1個の細胞の脱落が全体に影響しないくらい極めて多くの細胞が必要になる。研究チームはこれが大脳皮質に細胞数が多い理由と解釈した。
大脳皮質の神経回路が解明されることで、1つでは作用が弱い神経細胞でも、多数の集合で障害に強く柔軟な情報処理回路を作る、という原理が立証されていくと考えられる。また、脳型コンピューターなどにシステム開発に大きく貢献すると期待される。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20141121_1/digest/

