2015年2月25日、カリフォルニア大学(アメリカ合衆国)は、クイーンズランド大学(オーストラリア)とガルバン研究所(オーストラリア)との共同研究で、脳機能に影響を与える新しい遺伝子の構造とその遺伝子が精神病と関係する働きを明らかにした。

研究内容はBiological Psychiatryのオンライン版に2015年2月10日から公開されている。
研究者はストレスにさらされたときにどのように脳が素早く反応するかを理解するためには、Gomafuという遺伝子が、鍵になることを発見した。
Gomafuという遺伝子は成人の脳で動的に調節されているが、統合失調症に関連していることが判明している。
Gomafuの機能を止めると、不安神経症や統合失調症に見られるような行動の変化が観察できる。
Gomafuは、タンパク質を合成することのないDNA、いわゆるジャンクDNAの一部から見つかったコーディングを持たない長鎖のRNAである。ヒトゲノムの98%はジャンクDNAで、今回の研究による発見があるまでは、機能を持たないとされてきた。
今回の研究で、Gomafuは脳が急な環境変化にさらされたときに、その変化に対して対応するために働くことが判明した。さらに、この脳内の反応が何らかの形で妨害されると、精神病が発症する可能性があることも判明。
今までの脳の遺伝学的な研究では、ジャンクDNAを無視して、タンパク質を合成する遺伝子の変化のみに対象が限られていた。
今回の研究で、ストレスに対する反応がジャンクDNAの一部であるノンコーディングRNAにより調節を受けていることが判明したことから、研究対象を広げることにより、精神病の原因が判明し、それにより新しい抗精神病薬が開発される可能性を示した。
(画像はイメージです)
▼外部リンク
カリフォルニア大学 プレスリリース
http://www.bio.uci.edu/2015/02/hidden-gene-gives-hopes
文献:Long noncoding RNA-directed epigenetic regulation of gene expression is associated with anxiety-like behavior in mice.
http://www.biologicalpsychiatryjournal.com/article/

