イリノイ大学シカゴ校の研究者たちは、肥満・拒食の女性は神経活動性ステロイドallopregnanolone(アロプレグナノロン)の値が低く、うつや不安などの気分障がいと密接に関連しているとの研究成果を発表した。

専門学術誌「Neuropsychopharmacology」に掲載された研究成果によると、肥満や拒食による低体重など体重スペクトルの極端な女性は通称「Allo」と呼ばれる神経活動性ステロイドが低レベルにあるという。
Alloは主要な女性ホルモンの1つプロゲステロンの代謝物で、脳内の神経伝達物質であるGABAの受容体に結合する。GABAがその受容体に結合するときに生成されるシグナルを増強することで、一般的に肯定的な気分や幸福感が生じるとされている。
これまでの研究では、Alloがうつ病や不安などに関連することは分かっていたが、肥満や拒食症の女性に対する測定はされていなかった。
研究は、BMIが18.5未満の拒食症と無月経の女性12人と、BMIが19~24と正常範囲にある女性12人、BMIが25以上の肥満女性12人を対象に行われた。被験者の平均年齢は26歳で、いずれもうつ病の診断を受けていないか、抗うつ薬の服薬歴はなかった。
調査の結果、拒食症と肥満女性では正常なBMIを有する女性よりAlloの血中濃度が50%低く、臨床的に肥満である女性は正常体重の女性より約60%も低いAlloレベルを示していた。
またすべての参加者のAlloレベルがアンケートにより測定されるうつ病および不安症状の重症度を関連することも見いだした。特にAlloレベルの低い参加者はうつ症状の重症度が高かった。
この結果について研究者は、ホルモンや神経活性代謝物の調節異常など、これらの障がいに寄与するメカニズムの理解が深まり将来的にはあらたな療法が生まれる可能性が高まったと、今後の成果にも期待を寄せている。
(画像はプレスリリースより)
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イリノイ大学シカゴ校のプレスリリース
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イリノイ大学シカゴ校
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