京都大学の研究グループは10月24日、母親等の育児経験者は、出産や育児経験のない非母親より成人の表情から感情を正確に読み取り、不安傾向が高い母親ほど乳児や成人の表情をより敏感に知覚していることを明らかにした、と発表した。
研究成果は、10月24日米国国際学術誌「PLOS ONE」のオンライン版に掲載された。
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研究グループは、初産で生後7か月~10か月児を育児中の母親と、出産・育児経験のない同年代の非母親を対象に、乳児と成人の表情から感情を読み取る能力を検証した。
その結果、母親は、非母親より成人の表情から感情を正確に読み取る、また、不安傾向の高い母親ほど、相手の表情を敏感に知覚している、ことを明らかにした。
養育経験の有無により他者に対する表情知覚が柔軟に変化する。変化には一定の個人差があり、育児経験を積めば、すべての母親が感情を正確に読み取るようになる訳ではなく、母親の不安気質が関与しているとのこと。
今後は、研究結果をもとに、神経内分泌ホルモンや生理ストレスとの関係性などを検証することで、社会問題となっている産後うつや育児ストレスの理解と有効な支援法を提言したいという。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
京都大学のニュースリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/