独立行政法人 国立精神・神経医療研究センターは、皮膚細胞を用いて体内時計の周期を測定する手法を開発した、と発表した。
採取した少量の皮膚細胞(線維芽細胞)を培養し、発光遺伝子により細胞内の時計遺伝子が現れるリズムを可視化することにより、容易に体内時計の周期を計測できるようにした。

今まで体内時計の測定には、数週間におよぶ検査を特殊な施設で行い、また24時間持続採血が必要だったため、患者に多くの負担がかかっていた。
しかし、今回確立した方法を用いれば、皮膚片を一回採取するのみで済み、検査の負担がきわめて少なく、容易に短期間で体内時計を測定することができるようになる。
不規則な睡眠習慣や昼夜逆転などの睡眠リズムの問題は、うつ病や認知症など精神・神経疾患においてかなりの確率で見られ、精神疾患の再発リスクを高め、社会復帰の妨げになるなど、社会的に大きな課題となっている。
睡眠のリズムは体内時計によってコントロールされているため、体内時計の簡易な測定はうつ病を始めとする精神疾患による睡眠障害の診断精度を向上し、より効果的な治療を提供する助けになる。
将来的には、リズム睡眠障害や冬季うつ病などの治療候補物質のスクリーニング、患者個人個人に合わせたテーラーメイド医療を提供することをめざし、患者の皮膚細胞を用いて時計遺伝子のさらなる機能解析を行っていく、としている。
▼外部リンク
国立精神・神経医療研究センター
http://www.ncnp.go.jp/press/

