独立行政法人国立精神・神経医療研究センターは、脳局所の大きさと各所間の連絡の強度を同時に可視化する手法の開発に成功した。従来技術の磁気共鳴画像法(MRI)では、いずれか一方しか評価できなかった。これらを両方同時に可視化することで、より包括的に脳の働きを観察できるようになる。
今回はこの技術を用いて英語学習における脳の変化について研究した。研究結果は、8月21日発行の英国神経科学学会誌「The Journal of Neuroscience」に掲載されている。

この研究では英語語彙学習プログラムを受けた日本人成人24人の脳の働きを計測した。通常、言語機能は左脳の言語野が司っており、右脳はあまり関与していないと考えられていた。しかし、今回の試験では、4ヶ月間英語学習プログラムを行った場合、右半球前頭葉の一部が大きくなり、脳局所間の連絡が強化されていた。これは、言語は「左脳」という今までの常識を覆す結果だ。
さらに、1年後に同様の測定を行った場合、自主学習を続けていた人は脳の大きさや連絡が維持、強化されており、学習をやめた人はプログラム前の状態まで脳が戻っていた。
せっかく学習・練習で頭を鍛えてもやめてしまうとすっかり忘れて元に戻ってしまう。誰もが経験したことがあることだが、今回の結果はそれをデータで如実に示している。まさに「継続は力なり」だ。
この研究は言語学習のメカニズムに影響を与えるだけでなく、失語症のリハビリテーション法開発支援などの医療向上にも貢献することが期待される。
▼外部リンク
外国語学習による脳の柔軟な変化を可視化 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130821.html

