米バンダービルト大学医学部のWilliam V. Bobo氏(精神科)らが、6~24歳の4万3,000人を対象に抗精神病薬の使用に関する研究を行い、8月21日発行の米医学誌「JAMA Psychiatry」(電子版)で結果を公開した。これによると抗精神病薬の使用による気になる弊害が見えてきた。
その研究結果の内容とは、抗精神病薬を使っている子どもや若者では、抗うつ薬や抗不安薬などその他の向精神薬を使っている人に比べて2型糖尿病になるリスクが3倍に上ったというものだ。2型糖尿病とは、近年増加傾向にある生活習慣が原因となる糖尿病だ。
抗精神病薬の使用量の合計が多くなると、その分リスクも高まるとのことで、計100グラム以上(クロルプロマジン換算)では5.43倍(6~17歳では7.05倍)という結果が出ている。また、抗精神病薬を使い始めて1年以内のリスクが2.49倍と高いだけでなく、使用中止後も1年間までは2.57倍と高いリスクはそのままであることが分かった。

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抗精神病薬とは、向精神薬の中でも主に統合失調症の治療に使われている薬のことだ。抗精神病薬の中には体重の増加や血糖値の上昇といった副作用が強いものもあるため、使用には注意が必要な薬といえる。向精神薬は抗精神病薬のほか、抗うつ薬や抗不安薬、気分安定薬、睡眠薬などがある。
また、抗精神病薬が使用される精神疾患などは多くあるが、今回の研究で糖尿病リスクの高まりが顕著に表れたのは、注意欠陥・多動性障害(ADHD)(抗精神病薬グループ38.9%、対照グループ38.3%)であった。次いで、うつ病以外の気分障害(同33.3%、32.5%)、素行障害(同25.3%、24.9%)、不安障害(同20.6%、19.9%)、うつ病(同19.3%、19.5%)などとなっている。
今回の研究から、リスクを理解したうえでの若年層に対する抗精神病薬の使用が求められてくるだろう。
▼外部リンク
子供や若者の抗精神病薬使用で糖尿病リスク3倍―米研究
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23965896

