2014年9月12日、理化学研究所は毛根細胞が統合失調症や自閉症の早期診断を補助するバイオマーカーとなる可能性があることを明らかにしました。

(画像はイメージです by Nancy J Price (aka Mom))
これは毛根細胞には脳細胞と共通する遺伝子が発現していること、その遺伝子の発現量をバイオマーカーに使うということです。
採血により簡単に検査資料が手に入る利点があるので、非侵襲型の検査には血液が用いる場合が多くなっています。しかし、例えば血糖値は食後では高く、空腹時には低くないっているように血液検査は体内の状態により影響を受けます。
髪の毛はナポレオンの頭髪からヒ素が検出され、暗殺説が浮上したように、長期にわたって飲んだ薬物を検出できることが知られています。(ナポレオンの髪の毛のヒ素に関しては、保存料に含まれていたヒ素によるものだという説もあります。)
今回の研究は毛根細胞が発生学的に脳の細胞と同じであることに注目して、自閉症の人の髪の毛を採取し、すでに自閉症で発現変化を確認している遺伝子の毛根細胞での発現症を測定しました。
その結果、CONTAP2遺伝子(神経系の細胞同士の結合に関与する遺伝子です)の発現が健常者に比べて低下していることがわかりました。

(画像はプレスリリースより)
肝臓などでは針生検により細胞を採取して遺伝子異常を調べることが可能ですが、脳細胞の遺伝子異常に関しては調べることができません。
今回の研究で毛根細胞が脳の遺伝子発現異常を反映している可能性が示唆されたことから、毛根細胞検査することによって生きた脳の状態を探ることができる可能性のある、バイオマーカー診断法の基盤となる可能性があると考えられます。
今回はすでに自閉症と診断を受けた人の毛根細胞を用いています。今後は時系列に検査を行うことによって、早期診断に使えるかどうかを検証することが必要です。
▼外部リンク
理化学研究所 プレスリリース
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140912_1/

