コルチゾールとは、ヒトの副腎から分泌されるホルモンの1種だ。本来、糖やタンパク質、脂肪などの代謝や、免疫、抗炎症などに関わる重要なホルモンとして知られている。

しかし、長年に渡って過剰に分泌されることで、脳細胞が死滅・萎縮してしまうという困った存在であることも近年わかってきた一面だ。特に、海馬と言われる脳領域の細胞に作用してしまうため、記憶障害やうつ病などの原因物質の一つとも言われている。
ロチェスター大学、マウント大学、ミネソタ大学の研究者が、低所得者層の小児たちを対象にした調査について報告した。
早期の家族逆境を持っている、あるいは母親とよく遊ぶ機会が無い小児は、コルチゾールのレベルが高く、より多くの学習の遅れを持っている、というものだ。
研究は、貧困の子供たちの認知能力と、ストレス時に血流中に放出される、コルチゾールの特定のパターンを調べるため、対象とした家庭は、ロチェスター、ニューヨークでのコミュニティ支援プログラムを通じて、公的支援を受けている低所得母親のペアと、その2歳の子だ。
調査したほとんどすべてのペアは、連邦政府が示す貧困ライン以下の生活を送っていた。
最初の訪問で、10分間のおもちゃやパズルで遊ぶ母子ペアを観察し、小児のニーズ、気分、興味、および能力と、母親の意識、感情的な交わりを観察評価。
さらに母親に、家族の死亡や引っ越しの頻度など、家庭環境についての変化などを聞き取り後、毎年三年間、コルチゾールレベルを監視するため、小児から二つの唾液サンプルを収集し、4歳になった研究の終了時、試験で測定した。
その結果、コルチゾールレベルが上位レベルあるいは下位レベルの4歳の小児は、精神機能が低い傾向が見られた。
多くの子はコルチゾールの標準レベル値を示したものの、30%は高レベルであった。高いコルチゾールパターンを有するものは、一般的に2歳での観察期間中に母親との感情的な交流が非常に少ない群であった。
反して、適度なコルチゾールレベルを持つ小児は、4歳で最高の認知能力を持っていたという。
貧困は小児の成長環境に、良い環境ではない。小児が学び成長する環境に、親の生活環境、ストレスが悪い影響をもたらすことも多い。
認知機能に関し、貧困が早期教育の機会を制限する傾向があるが、すべてを規定するものではないが、研究は、やはり明らかな相関を傾向として示している。
小児の成長にとって、貧困の改善、あるいは社会的サポートは、必要不可欠な緊急性のある課題であるといえる。
▼外部リンク
ロイター通信
http://www.reuters.com/
Wiley Online Library
http://onlinelibrary.wiley.com/
PsychologyToday
https://www.psychologytoday.com/

