ミシガン大学が発表した研究によると、アメリカでのうつを患う中高齢者の割合が減少していることがわかった。
1998年から2008年の間で、深刻なうつを患っている中高齢者、特に日本では後期高齢者と呼ばれる年代における割合が減少していた。この層はこれまでの研究では、最もうつになるリスクが高いと言われてきた年齢層だった。
晩年のうつという問題は精神医療従事者の間で大きな関心事となってきた。これは最愛の人との分かれや死、健康問題、経済状況の変化などに直面した時にうつに陥りやすいという研究が発表されてきていたためである。
しかし今回の研究では特にその危機に陥りやすく、うつ病を患いやすいと考えられる、80代前半では改善傾向が見られた。
一方うつが増加傾向にあったのは、これまではあまり注目されてこなかった、後期の中年層である55~59歳に集中していた。
アメリカ全体で見ると、うつ病の割合は改善していることがわかった。これはうつ病についての認識や、治療が向上したため、と考えられる。
何故年齢層によってうつ病の割合に変化が起きているのか、という原因についてはまだ明確にはなっていない。
もしかしたら「時が癒やす」などということがあるのかもしれないが、今後研究が進んでうつの治療法の発展に役立つことを期待したい。
▼外部リンク
Not so blue? Study suggests many Americans less depressed
http://www.uofmhealth.org/