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霊性信仰、心の健康を悪化させる要因か -英研究報告

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宗教、スピリチュアリティ、精神疾患の関係

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)医学部のマイケル・キング教授らの研究グループは、昨年11月22日、英精神医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・サイカイアトリー(The British Journal of Psychiatry)」に掲載した研究報告で、「無宗教だが、霊性(スピリチュアリティ)への信仰を持つ人は精神障がいを発症しやすい」という分析を発表した。

この研究報告は、今年の1月、BBC Radio 4やCNN、テレグラフ紙(The Telegraph)電子版で紹介された。

(この画像はイメージです)

精神障がいの発症率

UCLのキング教授らの今回の研究は、無作為に選ばれたイギリス在住の男女7,403人を対象とした全国調査にもとづいており、調査の対象者に霊性信仰、宗教信仰、精神障がいの有無と症状について聞き取りがおこなわれた。

調査の結果、35%が宗教への信仰がある(教会・モスク・シナゴーグ・寺院などの宗教施設に通い、宗教儀式に参加している)と答え、このうちの6人に5人がキリスト教信者であった。また、46%は無宗教かつ霊性信仰もないと答え、残りの19%は宗教への信仰はないが、霊的なものは信じると答えた。

無宗教で霊的なものを信じると答えたグループは、他のグループと比較すると、77%は薬物への依存度が高く、72%は恐怖症罹患(りかん)率が高く、50%は全般性不安障がいの罹患(りかん)率が高いという結果が出た。さらに、37%は神経症性障がいリスクがより高く、40%は向精神薬処方による治療の受診率が他グループに比べ高かった。

キング教授は、信仰と精神障がいの関係については、さらに定性的および定量的な研究をおこなう必要があると述べている。

▼外部リンク

ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・サイカイアトリー(The British Journal of Psychiatry)
http://bjp.rcpsych.org/content/202/1/68.short

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